| 特徴・要約 |
芳香族縮合リン酸エステルは、オキシ塩化リンと二価のフェノール系化合物、及びフェノール（またはアルキルフェノール）との反応生成物です。モノマー型リン酸エステルに比較すると高分子量を有するため、揮発性が低い難燃剤です。
現在一般に市販されている化合物として下記の3種が挙げられます。 |
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レゾルシノールビス-ジフェニルホスフェート（RDP）CAS No. 57583-54-7、125997-21-9 |
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レゾルシノールビス-ジキシレニルホスフェート（RDX）CAS No. 139189-30-3 |
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ビスフェノールAビス-ジフェニルホスフェート（BDP）CAS No. 5945-33-5、181028-79-5 |
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| 応用 |
非ハロゲン難燃剤として、主にPC、PC/ABS（HIPS）、変成PPEなどのエンジニアリングプラスチックスに添加され、これらの難燃性プラスチックスはパーソナルコンピューター、OA機器のハウジングや内部部品などに使用されます。
モノマー型リン酸エステルと比較するとプラスチックスの機械物性を低下させにくく、また低揮発性です。そのため、成形作業者、成形品の消費者への暴露が少なく、環境への放散も少ないと推定されます。
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| 安全性情報 |
[有害性情報]
縮合リン酸エステルは低毒性、低刺激性です。詳細は下記の通りです。
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| ・LD50（ラット経口、経皮）： |
いずれも2000 mg/Kg以上1), 2), 3), 4)。 |
| ・変異原性（Ames）： |
いずれも陰性2)。 |
| ・皮膚刺激性（ラビット）： |
いずれもなし2)。 |
| ・眼刺激性（ラビット）： |
RDX、BDPにはないが2)、RDPに軽度の刺激性がある4)。 |
| ・感作性（モルモット）： |
BDPにはないが、RDXに中程度の感作性がある2)。
RDPについては情報なし。 |
| [環境影響情報] |
| ・RDPは生分解性がある。RDX、BDPは難分解性であるが、生体蓄積性は低い2)。 |
| ・いずれも魚、ミジンコに対する毒性は低い2)。 |
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| 利点 |
縮合リン酸エステルの特長は以下の通りです。
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低毒性である。揮発性が低いので、成形加工時のガス発生が少なく成形機を汚染しにくい。金型を腐食しない。また、これを添加した難燃プラスチックス成形品からの揮発物も少ない。 |
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ハロゲン原子を含まないので着火時にもダイオキシンのような毒性ガスの発生源とならない。また、発煙量も少ない。 |
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可塑化効果を示し、プラスチックスの成形時の流動性を高める。 |
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モノマー型のリン酸エステルに比べ、プラスチックスの機械強度（HDT、衝撃強度など）を低下させにくい。 |
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| 論点 |
| RDPとBDPは微量の不純物としてトリフェニルホスフェート（TPP）を含有しています。TPPは最近、文献等でその安全性に関し話題とされることがありますが、TPPの安全性に関する日本難燃剤協会の見解は、日本難燃剤協会のホームページのポジションペーパーでご説明させていただいております。 |
[国家的、国際的な活動］
RDPは下記の活動にリストアップされています。 |
| ・US High Production Volume Challenge |
| ・ICCA, HPV programme |
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| 供給会社／出典 他 |
| 日本難燃剤協会（FRCJ） |
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〒104-0031 東京都中央区京橋3-2-5
TEL : 03-3517-2232 FAX : 03-3517-2560
E-mail:info@frcj.jp ／ URL: http://www.frcj.jp
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| 芳香族縮合リン酸エステルの供給を行っている日本難燃剤協会のメンバー |
| ICL-IP JAPAN 株式会社 |
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〒112-0004 東京都文京区後楽2-3-21 住友不動産飯田橋ビル5階
Tel：03-6801-8430 Fax：03-6801-6970
URL： http://www.icl-ipjapan.com/ |
| （株）ADEKA |
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〒116-8554 荒川区東尾久7-2-35
TEL : 03-4455-2845 FAX : 03-3809-8242
URL:http://www.adk.co.jp/ |
| 味の素ファインテクノ（株） |
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〒210-0801 川崎市川崎区鈴木町1-2
TEL : 044-221-2372 FAX : 044-221-2387
URL:http://www.ajinomoto-fine-techno.co.jp/ |
| アルベマール日本（株） |
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〒100-0011 千代田区内幸町2-2-2 富国生命ビル16階
TEL : 03-5251-0796 FAX : 03-3500-5623
URL:http://www.albemarle.com/ |
| ケムチュラ・ジャパン（株） |
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〒105-0003 港区西新橋1-14-2 新橋SYビル4階
TEL : 03-5510-7000 FAX : 03-5510-7004
URL:http://www.chemtura.com/chem/default.htm |
| 大八化学工業（株） |
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〒541-0046 大阪市中央区平野町1丁目8番13号（平野町八千代ビル）
TEL:06-6201-1451 FAX : 06-6201-1458
URL:http://www.daihachi-chem.co.jp/ |
［出典］
1) 味の素ファインテクノMSDSデータ
2) ADEKA MSDSデータ
3) ICL-IP JAPAN MSDSデータ
4) IUCLID Data Set (Akzo Novel) |
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※注意
この難燃剤解説は、欧州難燃剤協会（EFRA）作成のFlame Retardant Fact Sheetをベースに、現時点で入手できる知見を基に日本難燃剤協会が作成しています。この難燃剤データ表は、健康・環境・規制情報等を提供することを目的にしておりますが、製品安全データシート（MSDS）・法的な要求文書等ではなく、また記載データは製品規格を示すものではありません。 |
